■サブリミナルとは
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サブリミナル(subliminal)とは、潜在意識のことを表します。
"subliminal"は"sub"と"limen"の合成語です。
sub : 〜の下に
limen : 閾(いき、しきい)。境界。「顕在意識」と「潜在意識」の境界であるlimenは「識閾(しきいき)」と呼ぶようです。
subliminalは「識閾の下」すなわち「自覚可能なレベル以下の意識」という意味となります。
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「顕在意識は氷山の一角」
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自覚可能な意識はほんの一部分であり、大部分がサブリミナル(潜在意識・無意識)であると言われています。
睡眠中、顕在意識はなくなりますが、サブリミナル(潜在意識・無意識)はなくならないと言われています。
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■サブリミナル効果とは
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「自覚こそしていないが、確かに存在する潜在意識に対しての知覚刺激が、人間の心理・性格・能力などに強い 作用をもたらすのではないか」という考えをもとにした特殊効果のことを「サブリミナル効果(subliminal effect)」といいます。
手法としては
・映像再生の途中にメッセージや写真などを瞬間的に表示
(例)TBSの番組(1995年)でサブリミナル疑惑が問題化
(例)日テレの番組(2004年)でサブリミナル疑惑が問題化
・騙し絵・隠し絵的にメッセージを埋め込む
(例)マクドナルドのハンバーガーのアップ写真広告が女性器を意図的に連想させているとう説があった
(例)キャメル(タバコ)の広告のラクダが男性器を意図的に連想させているという説があった
・音楽や雑音の中に、人間の可聴域外とされる周波数の音や、リバース音声、タイムストレッチした音声などを
ミックスする方法
(例)ジューダスプリースト(バンド)の楽曲に「Do it!」という逆回転メッセージがミックスされており、この効果
により2人の少年が「Do it!」と叫びながら自殺(1985年)
(例)アメリカのコンビニ(?)で「わたしは正直です。盗みは不正行為です」というメッセージを店内放送にミックス
したところ、万引きが激減した
などがあります。挙げている例が、本当に意図的なものかどうかはわかりません。
サブリミナル効果は「購買意欲の向上」、「性格改善による犯罪防止」、「ヒーリング」、「精神力や集中力の向上」、「学力向上」などを目的として利用されているようです。
ヒーリングや犯罪防止などは「良い目的のための利用」のようにも思われますが、そもそも「洗脳」の一種として行われているため、サブリミナル効果の利用は常にモラルが議論されます。
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■催眠とサブリミナル効果
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「催眠」は「催眠術」というエンターテイメントの影響で胡散臭い魔術として強く認識されていますが、
本来は医学・心理学に応用される科学の1ジャンルです。
「催眠」とは顕在意識を意図的に減らすことにより、「変性意識状態(トランス状態)」を作る行為のことです。
「変性意識状態(トランス状態)」とは、頭がぼんやりするとともに気持ちよさを伴ったものである。
日常的には、パチンコに入り込んでいるとき、授業中の居眠り、クラブで躍り狂っているときなどが例として挙げられます。
顕在意識を意図的に減らすことにより、潜在意識への働きかけを強めることが可能だと考えられています。
「積極的に潜在意識(無意識)に働きかける」という側面から、「催眠」と「サブリミナル効果」は非常に共通していると考えることができます。
「催眠」では顕在意識を意図的に減らすことで、催眠者(催眠をかける人)の言葉を顕在意識ではなく、潜在意識に届けようとします。
「サブリミナル効果」では顕在意識を減らすようなことは行いませんが、そもそも顕在意識に感知できないようなメッセージを潜在意識に対して届けようとします。
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■なぜ潜在意識にメッセージを送る必要があるのか?
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「催眠」を用いた心理療法では、潜在意識が問題となっている精神的・肉体的な症状の治療のために潜在意識に働きかけます。
何らかのトラウマが原因の症状や、「私はこうでなくてはならない」「こんな私は恥ずかしい」という完璧主義の反動による症状などは、
顕在意識に対してきちんと働きかけても効果の少ない場合があります。
このような例は、患者自身が意識していない、気づいていない場合が多いからだと言われています。
このように潜在意識に対しての働きかけが非常に重要な場合に、催眠療法で潜在意識にメッセージを送ることがあります。
表層的な考え方だけでなく、「性格そのもの」の改善を試みる場合などにも同様に潜在意識への働きかけが有効なのではないかと考えられます。
CM、広告等でサブリミナル効果が使用されるのは、「無意識にこの商品を選ばせよう」と考えているためです。
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■サブリミナル効果は有効か
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一説によると、潜在意識(サブリミナル)は顕在意識(自覚している意識)より常に強いものだとされています。
先述のジューダスプリーストの例やアメリカのコンビニの例のように、サブリミナル効果が有効であるとされる例も確かにあるようです。
しかし、このような例においてもサブリミナル効果の有効性は被験者によりかなりの個人差があるとも言われています。
まず、英語のわからない人に英語のサブリミナルメッセージはあまり意味がないと言われています。
また、「そもそも被験者に全く存在しない考え方や価値観などをサブリミナル効果によって引き出すことは無理がある」とも言われています。つまり、「わたしは正直ものです」などと微塵にも思っていない人に犯罪防止のメッセージが無効であったり、自分のことを毛嫌いしている異性をサブリミナル効果によって自分を好きになるように洗脳を試みても全く効果がなかったりするようです。
催眠においても、被験者の道徳観・倫理観に反すること、心理的・肉体的に受け入れ難いような暗示内容には、「無意識」に対する働きかけであったにせよ抵抗力が働くと言われています。
ただし、催眠においては催眠が深くなるにつれ、その抵抗力は減ると考えられているようです。
このような説もひとつの参考になれば、と思います。
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■サブリミナル効果が有効と思われる被験者
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「催眠」分野からの報告によれば、被催眠性の高い(催眠にかかりやすい)人は
(1)集中力の高い人
(2)想像力の高い人
(3)7歳〜14歳の子供(特に7歳〜10歳に有効)
だといいます。
(1)は暗示に対して入り込み易い、(2)は暗示内容を自分の中でイメージするのに有効である、などのことが理由だそうです。
サブリミナル効果で使用するメッセージ、キーワードにも依りますが、(2)はサブリミナル効果についても同様のことが言えるかもしれませんね。
また、被催眠性の低い(催眠にかかりにくい)人は
(1)理論派
(2)他人のよる支配を嫌う人
(3)集中力のない人
だといいます。
サブリミナル効果においても暗示内容に依っては(1)は同様であると考えられます。(2)も自己暗示でない限りは同様なのかもしれません。
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